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「営業所長の豹変」のまとめ-1

前回のブログは、ある営業所の事例紹介でしたが、これを研修の中でまとめると以下のようになります。

※専門用語については、文字をクリックしてください。解説のページが現れます。


Step-1

自営業所を所長自ら多角的に現状把握・分析する
(多角的にとは、過去のデータ、観察、顧客の意見等)

講義要約:
所長は、自分で、できれば自分の目で確認することが大切。
過去のデータを分析する際にも、なぜ、そのような過去のデータとなっているのかの背景を読む。


Step-2

所長自らが問題点・課題を決定する
(この意思決定が、所長の役割)

講義要約:
時々見かけるが、所長が「営業所を良くしたいから、皆から問題点を出してくれ」などと、一見、民主主義的で、営業所経営に所員を参画させて、意識を高めようとする所長がいるが、これこそ所長の職務放棄。こんな所長は、いらない。
所長の最大の仕事は、「意思決定」し、部下を自分の立てた方針に、従わせること。
この過程の中に、動機付けや育成がある。


Step-3

所員に現状を説明し、課題を所長が宣言する

講義要約:
所長と所員の現状認識のズレが一番怖い。
所長の問題意識や危機感をどれだけ、所員に伝えられるかがポイント。
現状認識が共有化できた時点で、所長は、課題を宣言しなければならない。
所長の宣言した課題をどこまで所員の腹に落とせるかがポイント。
そのために、現状認識の共有化が必要となる。


Step-4

課題への具体的な取り組み内容は、所員の会議で決定させる
(その会議に、所長は、参加しない)

講義要約:
直接、顧客に接しているのは、所員である。所員が一番現場のことを知っている。
そして、「できること」「できないこと」「できるが、やりたくないこと」など、自分の事は、よく知っている。
ここで所長が、具体的な指示を出しても、それが所員にとって「できるが、やりたくないこと」だったら、その指示は、絵に描いた餅になる。
この時点で、初めて所員に参画させ、自分たちの課題としてとらえてもらう。
所長は、ポジションパワー(役職の力)があるので、所員は、自由な意見が出しづらい。
また、所員に考えさせることで、所員の能力開発にも繋がる。


Step-5

所長がある程度、満足できる取り組み内容になるまで、何度でも話し合わせる
(所長が考えていたレベルの70%でGOサインを出す)

講義要約:
所長は、何度も出される取り組み内容について、所長自身が考える答えは、決して出さない。
その代わり「考え方・視点」をヒントとして与える。
あまり、検討時間が長いといけないので、所長の考えた取り組み内容の70%程度の内容でokを出す。 (経営の神様といわれる松下幸之助氏の考え方です)
所長でもない所員が、所長のレベルの70%を考えたという事は、100%であり、素晴らしい部下である。
残りの30%は、所長からのアドバイスという形で、付け加える。


Step-6

決まった事(皆で決めたこと)は、徹底的にやらせる
(よほどの事が無い限り、妥協、変更をしない)

講義要約:
一度、全体で決めた事は、意地でも頑固に変更しない。
ただし、どうしても悪い、成果の出ない取り組み内容であると評価できるものについては、全員の合意の下に変更する。
全員の合意による変更なしに、絶対に個々人を勝手に活動させないようにする。
「悪法も法なり」である。


Step-7

具体的取り組み内容は、進捗状況が明確になるようにする
(KPI(重要業績達成指標:Key Performance Indicator)にする)

講義要約:
自分たちの取り組み内容によって、着実に前進していること、成果が出ていることを理解させる。
前進や成果は、所員の大きな動機付けとなる。
喜びを皆で分かち合う。
人間として、最も苦しい労働は、「工夫も出来ない」「評価もされない」ような単純作業である。


Step-8

ゴールの基準を明確にする
(数値基準、状態基準、スケジュール基準 等の明確化)

講義要約:
できれば、数値基準による評価が一番分かりやすいが、多角的に評価できるようにする。
BSC(バランススコアカード)の考え方を取り入れても良い。(KPIも同様である)


Step-9

達成した際のインセンティブを用意する
(単に金品だけではなく、名誉、尊敬、注目、非日常性をキーワードにする)

講義要約:
ハーズバーグの2要因理論によると、金品等は、衛生要因であり、動機付けとしては、限度がある。
部下を、ダグラス・マグレガーのY理論で考えると、動機付け要因による動機付けが効果的である。
営業所単独で出来ることには、限界があるが………


例えば、ヒントとしては、下記の通り。
⇒所員全員投票によって毎月MVPを決定し、皆で胴上げする。
⇒月間MVP者の机の上に、MVPトロフィーを飾る。
⇒月間MVP者は、本社社長室で、社長の目の前で、所長からその優秀さを賞賛される。
⇒月間MVP者は、社長と記念写真を撮り、営業所に飾る。5枚溜まると、社長と対談が出き、その内容は、社内報で公表される。

ある会社では、年間優秀者を集めて、プロ野球のような「ビール掛け」をやっている。
さらに、この副次的効果として………
一度MVPを取ると、翌年も頑張るようになる。
前年度にMVPだった者が、翌年の実績が平均以下では、「ミットモナイ」「ラッキーだとは、思われたくない」等の理由からである。

このようになります。


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営業所長の豹変

営業所は、企業のプロフィット・センター(利益を稼ぎ出すところ)の最前線です。
営業所の最高責任者は、営業所長です。
ですから、営業所内で同一職種内であるならば、異動の権限(営業担当者の担当エリアの変更等)を持つ場合も多いようです。
費用についても、本社で決められた範囲であるならば、ある程度は、使うことも出来ます。
まさに、営業所長は、その担当エリアの経営者とも言えます。

営業所長は、「本社⇒(支社)⇒営業所」と本社の方針に従い、より具体的な営業所方針を立て、実行計画を立案します。
営業所方針は、定量目標(数値目標)と定性目標(行動目標)で、構成されています。
定量目標は、売上や利益目標だけではなく、「市場占拠率(シェア)目標」「新規開拓件数目標」「売掛金回収期間目標」、また顧客満足度を指数化した「CSI(Customer Satisfaction Index)目標」なども含まれます。
定性目標は、定量目標を達成するために、「営業所として、市場特性を考慮し、何をするか」という、具体的な行動目標を設定します。
ただ、この2つの目標は、別々に一人歩きすることが多く、2つをリンクさせていない場合が多いのです。


さて、前置きは、このくらいにして。
今回のテーマは、「営業所長の豹変」です。前回の内容と少しだけ繋がりがありますので、9月19日のブログも参照してください。

今、企業にとって、顧客満足度の向上は、避けて通ることが出来ない必須の取組みになっています。
したがって、本社の方針の中にも盛り込まれていること多く、それを、営業所長は、営業所で実行可能な行動レベルに落とし込んで、営業所方針としています。

現在の企業にとって、「なぜ、顧客満足度が必要か」は、別の機会に述べるとして、営業所のメンバーは、営業所方針に沿って行動しなければなりません。

営業所長は、毎日の朝礼の中で、「顧客満足の重要性」について、説明したり、顧客から送られた「ご意見はがき」(よく、飲食店のテーブルで見かけるものです)を、読み上げたり、営業所内に貼ったりして、メンバーの意識付けをしようとします。

しかし……………
前回のプログで述べたように、月末になると営業所長の顔色が変わり、目つきが変わってきます。
結局「とにかく、なんとしてでも、売れ上げを上げてこい!」が、営業所長の口癖となることが、多いようです。(大変、残念なことですか………)

当然、営業所のメンバーも、「あっ、また、所長の本音が出たな。結局、顧客満足なんて、お飾りみたいなもんだよ」となってしまいます。
こうなっては、その営業所の業績は、徐々に低下し、取り返しの付かないことになっていくのです。
では、こうならないためには、どうすべきなのか?


私は、営業所の定性目標を定量化し、定量目標とリンクさせることをお勧めしています。
例えば、ある営業所の「新規開拓」による月間の定量目標の達成を考えた場合、大雑把に説明すると、こうなります。

【現状】
①総アタック件数⇒1,000件
②総アタックの中から、少しでも見込みがありそうな件数⇒50件(5%)
③見込み件数から上がった具体的な案件数⇒10件(20%)
④受注した件数⇒3件(30%)
⑤3件の平均単価⇒1,500万円
⑥売上合計⇒4,500万円


そして、営業所の目標は、6,000万円/月とします。
仮に②~⑤の数値が同じだとすれば、単純に①を1.4倍にすれば良いのです。
ただ、営業担当者には、限られた時間しかありません。単純に、活動量を1.4倍に出来るとは限りません。
そうすると、どこの率を上げるかです。
営業担当者の能力、スキルを把握し、強化ポイントを設定します。
もし、営業担当者の②のスキルが、最も早く引き上げられるようならば、その部分を徹底的にトレーニングします。

こうした取組みにより、下記のようになります。
シュミレーション】
①総アタック件数⇒1,000件
②総アタックの中から、少しでも見込みがありそうな件数⇒70件(7%)
③見込み件数から上がった具体的な案件数⇒14件(20%)
④受注した件数⇒4件(30%)
⑤3件の平均単価⇒1,500万円
⑥売上合計⇒6,000万円

今回、私が例に上げたのは、②の数値をたった2%upさせただけです。

以上のように、営業所長が月末に豹変しないためには、定性目標を定量化し、定量目標にリンクさせることが大切ということです。
営業所長は、月末になると豹変し、
「売上をもってこい!」
「見込みをもってこい!」
「持ってる見込みを全て、決めてこい!」
「新規の訪問を増やせ!」
「顧客に熱意を感じてもらえ!」
と、抽象的な定性目標、根拠が無い定性目標を、言い続けても無駄だということを知るべきです。

私も長く営業をしていましたから、分かるのですが、どの営業担当だって、「売上を上げたくない営業担当者は、いない」のです。
売上を上げる仕組みを作るのが、営業所長の仕事です。
営業担当者は、その仕組みを使って、売上を具現化させるのです。
したがって、仕組みが悪ければ、営業担当者の売上が低迷するのは、当然のことです。
つまり、営業所の売上げ低迷の原因は、営業担当者ではなく、営業所長の示した、仕組みであることが多いのです。

(だからといって、営業所長の方針に従わないというのは、ダメです。)
そのために、営業所長は、具体的な(定性・定量)目標を示し、その目標を達成するために、メンバーの育成を含め、様々な施策を考え、打ち込むのです。


私が今まで深く関わらせていただいた営業所長にこんな方がいました。

(以下、登場人物名は、全て仮名です。)
山田営業所長は、着任後、自分の営業所の問題点を洗い出し、優先順位をつけ、メンバーにこう告げました。
「我が営業所の問題点は、●●だ。この問題点を解決しない限り、当営業所の業績アップは無いと考えている。そこでだ。佐藤リーダーを中心に、みんなに、どうすれば良いかを考えて、私に提案してほしい。現場を最も良く知っているのは、君たちだからな。よろしく頼む。」

その後、メンバーは、解決策をまとめ、山田所長に提出しました。
第1回目の提出。山田所長は、提案内容の詰めの甘いところを指摘し、okを出しません。
第2回、第3回と、提出し、ようやく山田所長からGOサインが出ました。


最後に、山田所長がメンバーに対して、
「ありがとう。私だけでは、ここまで具体的な解決策は、立てられなかったと思うよ。皆の力だ。私は、解決策の中で、ここと、ここと、ここを担当し、皆をサポートする。それ以外に、私のサポートが必要なところは、何なりと言ってくれ。出来る限りの支援をすると約束する。これから、一丸となって、取り組んでいこう。

最後に、この皆が考えてくれた解決策を、私は承認した。つまり、私は、皆が考えてくれた改善策で、この営業所は、改善され、業績が向上すると判断した。したがって、この解決策への取組みによって、万が一、業績が向上しないならば、それは、私の責任、私の判断ミスだと考えている。業績の責任は、私が取る。君たちに責任は無い。だから、君たちは、君たち自身が考えた改善策の確実、着実な実行だけを考えてくれ。

とにかく、この解決策を正面から取り組んでほしい。」

これだけでも、凄い営業所長だと思いましたが、ある時。
この山田所長が豹変しているのです。
顔を真っ赤にして、鬼のような顔をして、鈴木営業担当者を怒鳴りつけているのです。
横で、じっと聞いていると、私も納得しました。概要は、以下の通りです。
「鈴木っ!(呼び捨て)お前は、どうして、皆で決めたことをしないんだ!お前の今回の行いは、皆に対する裏切り行為だ!皆、どれだけ頑張って、取り組んでいるかは、お前も知っているだろう!皆、何も言わないが、誰も裏切り者と一緒に働きたいと思っていない。お前は、それを分かっているのか!俺は、お前に売上を上げてこいとは、一言も言っていない。皆で決めたことを、絶対にやり通そうと言っているだけだ!俺も営業は長かったから、どんなに頑張っても数字が作れないときがあることも知っている。だがな、皆で取り組むと決めたことを、きちんとやるかやらないかは、お前の意思だ、お前の人間性だ!俺は、裏切り者と一緒に仕事はしたくない。お前も、皆と働きたくないなら、辞表でも何でも書いて、今すぐ、出てけ~っ!」
鈴木君、当時30歳くらいだったと思いますが、もう顔は、涙でぐちゃぐちゃでした。

通常、部下を叱るルールとして、「部下の人間性は、絶対に否定してはならない」とあるのですが、山田所長は、真っ向から全面的に、人間性を否定しました。


数年後、またその会社からご依頼をいただき、とある営業所を伺う機会をいただきました。
なんと、その営業所の所長は、鈴木君でした。

【私と鈴木所長との会話】
私⇒「ところで、あの後、どうした?」

鈴木所長⇒「いや~っ。あの時は、正直言って、まいりました。あの後、私は、2~3日会社を休み、これからどうしようかと悩んでいました。当時の山田所長が言うように、私は皆を裏切った、裏切り者ですし。皆に、申し訳ない気持ちで一杯でした。そんな時、山田所長から携帯電話に電話が掛かってきました。出る訳にもいかず、後で、留守電の内容を聞きました。そうすると、山田所長が、皆、待ってるから、早く出てこい。皆、待ってるぞ。とだけ、伝言が残されていました。私も、このまま退職する訳にも行かないと思い、意を決して、出社しました。皆、何事も無かったように私に接してくれました。そして、朝の朝礼で山田所長が、よし、これで全員揃ったな。鈴木が、戻ってきてくれた。これから、再スタートだ。バリバリやってくれよ!鈴木も、それで良いんだな。私は、ハイと涙ながらに答えました。皆も、また一緒に頑張ろうなと声を掛けてくれました。
実は、後になって、仲間から聞いたんですが、佐藤リーダーが、皆の意見を聞き、まとめて、もう一度、鈴木にチャンスをあげてほしいと、山田所長に具申してくれたそうなんです。その時の山田所長の顔は、本当に心から微笑んでいたと聞きました。もしかしたら、山田所長は、皆から声が上がるのを待っていたのかもしれませんね。」

私⇒「それからは?」

鈴木所長⇒「いや~っ!凄かったですよ。皆、目の色が変わったように、仕事をしまくりました。営業所の業績もあっという間に、改善され、全国でも指折りの営業所になったんです。私も、死ぬほど働きました。だって、私は、もともと裏切り者ですからね。私みたいな裏切り者が、皆に認めてもらうには、皆の何倍も働かなくちゃならないと思いましたし、私に復帰のチャンスをくれた佐藤リーダーや皆への恩返しでもありましたから。そして、山田所長への恩返しでもありますから。
そうしたら、いつの間にか、私は、ここの営業所長になっていました。
私は、特に出世欲も無かったですし、とりあえず年間を通して売り上げ目標さえをクリアーしていればいいんだろと思っていましたから。当時の山田所長は、私の人生そのものを変えてくれました。」

私⇒「なるほどね。山田所長との出会い、そしてその出来事が、鈴木所長の人生のターニングポイントになったのですね。
で、この営業所の業績は、どうなの?」

鈴木所長⇒「今は、全国50の営業所のベスト10には、入っています。当時の山田所長から教わったように、マネジメントしているのですが、まだまだ、山田所長の域に達していません。また、これからは、もっと私のカラーを出して、マネジメントしていかなければならないと思っています。」

私⇒「なるほど。そうですね。きっと、前の所長もそう思っているはずですよ。ところで、その前の所長は、今、どこにいらっしゃるのですか?」

鈴木所長⇒「今は、本社の営業所統括部長をされています。いゃ~っ、月1回の営業所長会議でお会いするんですが、頭が上がりませんね。私以外の所長は、やると約束したことをやっていないと、山田部長に、ときたま怒鳴られていますよ。私は、今でも怖くて、山田部長との約束を破れませんよ。ハッハッハッ。」


少し長くなってしまいました。
営業所長の豹変は、こうありたいものです。


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一発逆転のヒーロー

野球などのスポーツで、敵と味方が交互に得点を入れ合う緊迫した試合のことを「シーソー・ゲーム」と言います。

この試合、シーソーゲームで、得点は、6対9で、自軍が負けている。

≪アナウンサー≫--------------------
9回の裏、2アウト満塁。
打席には、今日、4打席0ヒットのA選手です。

A選手は、今日、当たってませんねぇ。 
カウントは、2ストライク3ボール。
ピッチャー、最後の一球を投げました!
打ったーっっっっ!!!!!
さよなら、逆転、満塁ホームランっっっっっ!!!!!

試合終了~っ!

なんと、劇的な幕切れか~っ!

--------------------

試合後のお立ち台でのインタビューは、当然、最後にホームランを打った選手、まさに、ヒーローの登場です。

私は、このような試合を見ていると、何故か腑に落ちないのです。

本当にA選手は、ヒーローなのでしょうか?
確かに、シーソー・ゲームの試合を決めたのは、A選手なのですが、彼は、今日、最終打席の前までは、0ヒットです。全く、ゲームの勝敗に貢献していなかったのです。

つまり、今日は、5打数1安打の2割の打率です。
1回裏から、9回裏2アウトの彼の前の打席までに、6点を取った打者は?
敵軍を9点に抑えたピッチャーは?


色々な場面で、これに似たような事が起こります。

【月末のある営業所】
所長は、あと少しで営業所の目標達成ができるギリギリのところまで来ています。
対目標達成率98%。あと30万円の受注で目標達成です!
営業の世界では、対目標98%であっても「未達は、未達」です。
「未達と達成」は、月とすっぽん、天国と地獄です。
ですから、所長は、歯をキリキリと鳴らしながら、「君たち!もう、きれいごとは言わない。とにかく、何でもいいから、取ってきてくれ!」と朝から営業担当者にハッパを掛けます。

所員達は、「またかよっ!月末になるといつもあれだもんなぁ....日頃、お客様を大切にして、お客様の立場でと言っているくせに。まいっちゃうよなぁ。こっちだって、毎日、遊んでるわけじゃないし、いまさら、あと30万円、とって来いと言われてもなぁ....どっかに、注文、落ちてないかなぁ....」

この所長の豹変ぶりについては、別の機会に書くとして、こんな時、たまに、30万円の受注を取って来る営業担当者(B君とします)がいます。

B君、帰社するなり「所長っ!受注しましたっ!50万円の受注ですっ!これで、今月の営業所は、目標達成ですよねっ!」と所長に駆け寄ります。

所長も「そっそうかっ!よくやった!良く頑張ってくれたなぁ。さすが、B君だ!」と喜び合います。
所長、さらに続けて「みんなっ!ちょっと集まってくれ!B君が50万円を受注してきてくれた。B君のおかげで、我が営業所は、今月、目標達成だ!いゃ~っ、B君は、良くやってくれた。私は、今月、ヒヤヒヤだったよ。皆も、また、来月の達成に向けて、頑張ってくれ!以上だ。」

ごくごく、当たり前のある営業所の月末の場面です。
その月のヒーローは、B君です。
でも、ほんとに?
何故か、腑に落ちないのは、私だけ?

(なんか、お笑いのスレーズみたいですね)

もし、皆さんが、この営業所の営業担当者ならば、翌月からどのように受注を所長に、申請しますか?
そうです。
どの営業担当者も月末に、受注を申請するようになります。
だって、ヒーローになれるのですからね。

月初から誰も受注を申請しなくなる。
15日の達成率20%。
所長は、毎日怒鳴り散らし始める。
所内のコミュニケーションは、悪くなり、貝のように口を閉ざす。
明るい話題、前向きな話題は、無くなる。
営業担当者は、とにかく、所長から言われたことだけをやればいいと思い始める。
それでも営業担当者は、じっと堪えて、受注をひたすら隠す。
受注の手続きが遅れると、お客様への納品が遅れる。
お客様も不満だらけになる。

このような事態が、営業所内で慢性化すると、目標の達成どころではありません。

本当のヒーローは、誰なのか?
大変難しいテーマではありますが、一発逆転のヒーローだけが、ヒーローではないことは、確かです。


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私の本業

2008年10月23日(木)に、私の出身母体である株式会社マーケティング研究協会主催の下記公開セミナーを開催いたします。
これが私のコア・コンピタンス(中核的独自能力)です。
ぜひ、一度ホームページを訪問してください。マーケティング全体のご依頼なら、日本一の会社です。
(営業力強化なら、私にご依頼ください。)
もし、仕事の依頼をご検討されるのなら、まずは、私にご一報ください。
色々とアドバイスさせていただきます。


◆テーマ◆
法人営業!強いソリューション提案の実践セミナー

    ~情報分析による勝てる提案ストーリーの組み立て方~
http://www.marken.co.jp/seminar/ent_200810231103001.shtml


◆公開セミナー開催趣旨◆
「顧客のニーズが多様化している中で、本当に重要なポイントを押さえた提案ができていますか?」

昨今、再び景気が後退しはじめあらゆる部門において予算やコストの削減が相次いでいます。
また、多くの企業が新たな収益源を求め業界の垣根を越えて参入をしつつあります。
このような環境下で顧客企業への営業活動は日増しに厳しくなり、顧客から信頼され競合企業に打ち勝つためには「真の顧客ニーズ」をいかにして探るかが今まで以上に重要になってきています。

新規顧客の開拓や既存の得意先への深耕において重要となる

「情報とは何か?」
「情報をどのように活かすのか?」
「提案はどのように組み立てるのか?」

について解説いたします。


◆こんな人にオススメ◆
1 、「顧客に深く刺さる提案の実践」を実現させたい営業マン
2、 「提案の進め方・与件の収集・刺さるポイントなど」のノウハウを学びたい営業企画スタッフ
3、 「自ら動いて、指導してチーム(部下)を強くしたい」とお感じの営業マネージャー


◆セミナー概要◆
1.なぜ受注を逃すのか? 現状の企画提案を振り返る
  (1) 情報“不”活用の企画提案 
     ~情報を集めただけで満足している~
  (2) 売り手都合の企画提案
     ~“買い手”と“売り手”の思惑のギャップが大きい~
  (3)分析の“深さ”が足りない企画提案
     ~顧客理解の不足による競合負けが多い~

2.企画提案に必要な情報収集・分析のツボ
  (1)情報収集にもロジックが必要となる
     ~何を知らなければならないか?~
  (2)マーケティング視点の情報収集がポイント
     ~営業にも必要な3つの“C”~
  (3)分析に必要な多面的な視点
     ~立場の違いによる分析・読み取りの違い~

3.情報分析と企画提案ストーリーの作り方
  (1)SWOT分析による仮説の立て方
     ~提案の要点はどこにあるのか?~
  (2)競合分析による差別化ポイントの立て方
     ~勝てる要素はどこにあるのか?~
  (3)ベネフィットを訴求する提案ストーリーの作り方
     ~顧客は何を欲しているのか?~

4.受注を勝ち取るために押さえるべきポイントとは
  (1)顧客を複数の接点で押さえる
     ~“組織”対“組織”のコミュニケーション~
  (2)顧客の組織とミッションを理解する
     ~顧客の意思決定構造を把握する~
  (3)受注を勝ち取る提案の決め手とは?
     ~提案を通すアノ手コノ手~


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一言の恐ろしさ

この話は、私が若い頃、マネジャー研修でその時のインストラクターが話された内容です。
一時は、教員を目指した私にとっては、衝撃的であり、今でもはっきりと覚えています。
とても良い話なので皆さんにもご紹介します。



ある小学校1年生の社会科の授業のひとコマです。
先生が、「みんな!将来は、何になりたいかな?」と質問しました。
子供たちは、みんな元気良く、目を輝かせて
「は~いっ!僕は、お医者さんになりたいです!」
「私は、ピアノの先生になりたいです!」
「僕は、野球選手になりたい!」
と、自分の将来の夢を言っています。

しかし、一人だけ手を上げておらず、下を向いている児童がいます。
仮に石井君としましょう。
先生は、「どうした、石井!お前は、将来なりたいものは無いのか?」と問いかけたのです。
良く見ると、目を真っ赤にして涙をためているではありませんか………

石井君の家は、八百屋さんを営んでいます。
お父さんのお父さん(おじいちゃん)も八百屋さんでした。
ですから、石井君は、いつもお父さんから「おまえも八百屋を継ぐんだからな」と言われていたのです。
石井君は、「自分には八百屋になるしかないんだ」と思っていたのです。
また、石井君は、八百屋が大っ嫌いでした。
いつも、お父さんは、朝まだ暗いうちに軽トラックで市場に行きます。
お父さんが市場から帰る頃に石井君は起きるのですが、荷降ろしの手伝いをしなければなりません。
手も、洋服も泥で真っ黒になります。爪の中に泥が入り、せっかく前夜お風呂に入ったのに、その爪のままで学校に行かなくてはなりません。とてもイヤでした。恥ずかしく思っていました。
それなのに、生活は決して楽なものではありませんでした。
夜遅くオシッコがしたくて起きるとお父さんとお母さんは、色々な所への支払いに頭を悩ませていることを知っていました。
だから、石井君は、まだ小学生で欲しいものはたくさんあるのに、決してお父さんやお母さんにおねだりする事はありませんでした。そんな今の生活がイヤでたまりませんでした。

そんな時、この「将来何になりたいか?」の授業があったのです。
先生の質問に対して、仕方なく石井君は、蚊が鳴くような声で「え~っと、ぼっぼくは、八百屋さんになります・・・・・・・」と答えました。
クラス中、大爆笑です。
「なんだよ、石井!おまえ、八百屋かよ!ダッセーッ!」
「おまえ、お父ちゃんが八百屋だからだろ!夢がねーなっ!」
「私、絶対、八百屋さんのお嫁さんになりたくないわ!」

その時、先生がこう言ったのです。
「八百屋さんか!良いじゃないか!八百屋さんが無ければ、皆の大好きなカレーライスも食べられないんだぞ!お父さんからも色々と教えてもらえるじゃないか!先生は、石井の八百屋さんになる夢は、凄い良い夢だと思うぞ!皆だって、石井が八百屋さんになったら、まけてくれるかもしれないぞ!」
そして、先生は続けてこう言いました。
「そのかわりなぁ、石井!八百屋になると決めたならば、この町一番の八百屋になれ!お父さんが作った今の八百屋さんよりも、でっかくするという夢を持て!」

石井君は、目から涙が止まらなくなり、ボロボロと泣きじゃくりました。

それから40年後。
テレビの番組で、昔お世話になった人に再会させてくれるという番組がありました。(最近、似たような番組がスタートしましたね。)
石井君は、40年前のお礼を言いたく当時の担任の先生を探したのですが、見つからないために応募したところ、運良く出演が決まったのです。

今までの経緯を話し、いよいよ先生の登場です。
二人は、感激し、抱き合いながら涙を流しました。


二人が落ち着いた頃に石井君が、先生にお礼を述べるコーナーになりました。

「先生、あの時は、本当にありがとうございました。私は、幼いながらも自分には、将来の夢は無いと思っていました。イヤでイヤでしかたない八百屋を継ぐしか自分には無いのだと。

でも、あの時、先生は、八百屋さんという職業を褒めてくださいました。

そして、この町一番になれという夢を私に与えてくださいました

私は、その後、自ら希望し農業高校に入学し、青果について生産者の立場を学びました。卒業してからも親父の仕事を手伝いながら学び、夜は、簿記の専門学校にも通い商店の経営について勉強しました。

そして私は、今、県の青果協同組合の組合長をしております。

まだまだ、県一番の八百屋さんには、程遠いですが、ここまで来れたのも先生のあの「一番になるという夢を持て」の一言があったからです。本当にありがとうございました。」

と、言うお話です。

小学校一年生の時の先生のたった一言が、石井君の人生を変えたのです。 



もしあの時、先生が「なんだ、石井。お前は、八百屋になりたいのか!お父さんが八百屋さんをやっているからと言って、八百屋になるって言うのは、夢がないなぁ。いいか、石井、お前たちは、これからな努力すれば、何にでもなれるんだ。八百屋になるなんて事、考えないでもっと大きく、夢のある仕事を目標にしろ!」なんて言っていたら、石井君はどうなっていたでしょう。

確かに、一般論としては、先生の言っていることは、間違いではないのかもしれません。
しかし、一般論は、当時の石井君には、あてはまらいのです。

【まとめ】

私たちは、人に対してどれだけ影響力を持っているだろうか。

私たちは、自分の何気ない一言で人を傷つけていないだろうか。



職業から私も先生と呼ばれることがあります。私自身、反省することばかりです。


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プロフィール

早野雄二

Author:早野雄二
こんにちわ!「インストラクターの独り言」へようこそ!

昭和35年(1960年)、北海道歌志内市生まれ。
(現在、歌志内は、日本一人口の少ない「市」です。ぜひ一度訪問してください。)
(http://www.city.utashinai.hokkaido.jp/)

大学を卒業後、この業界に飛び込み、あっという間に25年が過ぎました。ビジネスと言うジャンルにとらわれずインストラクターの視点で、綴って行きたいと思います。

2007年7月NASSAN V-up PROGRAM のV-FASTの販売会社への導入を評価され、日産自動車株式会社 CEO Carlos Ghosn氏より「V-up課題達成優秀賞」の表彰を受ける。

著書:
⇒「営業マン次の一手」(共著:総合法令)
⇒現在、2冊目企画中

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