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サービスを受ける資格

ある時、妻を早く亡くした父とその一人っ子の娘が、娘が嫁ぐ直前に二人だけの温泉旅館へ1泊旅行に出かけたそうです。

昼間は、色々と観光をし、二人の記念の写真をたくさん撮りました。
旅館に到着後、二人は、温泉に入り、自室で二人だけの楽しい夕食をとりました。
実は、この旅館、通常は、自室で夕食はとれないのですが、父が前もって旅館に事情を説明し、特別に許可していただいて、実現したことなのです。父は、そのことを娘にも話していました。
仲居さんも、その辺のことを理解していてくれており、必要以上に客室に入らないようにしているようでした。
父は、二人だけの最後となるであろう娘との今回の旅行に、この旅館を選んで本当によかったと思っていました。

さて、父が朝起きて、チェックアウトをするために娘と一緒に部屋を出ようとしたときのことです。
娘は、朝風呂に入ったようです。その分、帰り支度の時間が少なくなり、化粧やら何やらばたばたとしていました。

父が「ふっ」と娘の寝ていた布団を見ると、枕が無造作に置かれており、掛け布団は、めくれ上がったまま、シーツを直した様子も無い。浴衣は、そのベッドの上に、たたまずに放り投げられていました。

父が、娘に「飛ぶ鳥、後を濁さずというだろ。ちゃんと片付けて」というと、
娘が、「えっ!どうして?お客さんの布団を整頓するのは、仲居さんの仕事でしょ。どうして、お金を払った私達が、片付けないといけないの?お父さんが旅館に払ったお金には、私達が宿泊した後の片付けのお金も入っているんでしょ。」と悪びれも無く言ったのです。

父は、困りました。確かに、自分たちは、一人1泊1万円以上のお金を払って、この旅館に宿泊しているのです。お客様である自分たちが、室内や布団を整理整頓する義務はありません。本来、室内やふとんを整理整頓するのは、旅館側の義務であり責任です。
娘の言っていることも、全くの間違いとは言い切れないと思うのです。
どうしたものか………

父は、「あっ!」と思ったのです。
父は、人生にとって最も大切なことを娘に教えていなかったと、その大切な心を育てていなかったことを悔やみました。
それは、「サービス提供者に対する感謝の心」です。

「娘には、母親がいないことのハンデを絶対に感じさせないように育てよう。両親がいる子供には絶対に負けないように育てよう。」そう思ってわが身を削って育ててきた娘なのに。

しかし、娘がここまで立派に成長し、まもなく嫁ぐまで来れたのは、父である自分だけの努力ではありませんでした。
幼稚園の先生、小学校の先生、近所のお母さん、会社の仲間。
このような人たちの理解・協力・支援が無ければ、娘はここまで立派に育て上げる事は出来なかったことは、父が最もよく理解しており、言葉で表すことが出来ないくらい感謝していました。

父である自分がそのことを一番理解しているはずなのに、娘にその心を伝え、その心を育てることを忘れてしまっていたと。
娘にその心を伝え、育てることこそ、今までお世話になった人たちへの最大の恩返しであるのにと。


私は、この話を聞いたときに、「ふっ」と私が子供の頃、私の親からよく言われていたことを思い出しました。
「お茶碗の中のご飯は、最後の一粒まできれいに食べること」
たぶん、田を耕し、ならし、水を張り、田植えをし、雑草を取り、稲刈りをし、稲を干し、脱穀し、精米し、袋につめ、市場まで運び、そうやってお米を作ってくれたお百姓さんに感謝しなさいということだったんでしょうね。

私の会社に、面白い人?がいます。
彼は、根っからの営業マンなのでしょうか。
どこに行ってもサービスの提供者に声を掛けるのです。
例えば、コンビニエンスストアーでも。
会社のそばのコンビニで、朝、たばこを買う時、レジの女性に声を掛けるのです。
「おはよう!今日は元気かい?」
「この間のゲリラ豪雨は、大丈夫だったかい?」
と。毎日です。
ある時から、彼が缶コーヒーを買おうとしたときなど、その女性が、「今日は、●●のたばこはいらないのですか?」と声を掛けてくれるようになっていました。
彼は、「俺に対するその気遣いが嬉しいんだよね」と言っていました。


【まとめ】
提供されるサービスに対して感謝する心と態度があれば、

その人は、より良いサービスを受けられる資格が与えられる。

※あくまでも「資格」であって、「権利」ではない。

 



さて、この父娘のその後ですが………
私が聞いたのは、ここまでなので、その後を知りません。
しかし、立派な父親に育てられた素晴らしい娘さんです。
父親は、感謝することの大切さを伝え、娘はそれを確実に受け止めたに違いありません。
我々の心配は、無用でしょう。


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comment

Secret

早野さん、こんにちは。

示唆に富んだ内容でした。

権利ではなく、“サービスを受ける資格を与えられる”
そうですね。
この精神が浸透していればクレーマーなど生まれる余地がないんですが。。。
日本の接客業のサービスは、とても素晴らしいと思います。
それを“あたりまえ”と思ってしまってはいけないと私も思います。

No title

「権利ではなく資格」という言葉は素晴らしいと思いました。

No title

こんばんは~。

僕が出された料理をすべて食べるのは、その料理がなんらかの「命」を犠牲にしたものだからです。
僕が生きるために、動物であれ植物であれ、いくつかの命がなくなっている。そりゃあ、無駄にしちゃいかんだろうって事で。
もちろん、お百姓さんへの感謝もありますが。

ま、なんにせよ、感謝する心があれば、態度は自ずと決まってきますね。
いいお話でした。心に沁みますね。

No title

早野さん
恥ずかしながら、10年前の自分は、その娘さんのような人間でした。タバコをポイ捨てしていたのです。妻に指摘されると、照れ隠しもあって、マンションを掃除する人がいるじゃないか・・・
本当に恥ずかしいです。
鍵山さんの講演や本を読んでからは、拾う立場に変わりました。
今日のお話もとても勉強になりました。
ありがとうございます。

コメントありがとうございます

Nemoさんへ
感謝することによって、「資格」が与えられるとは、あくまでも「資格」であって、必ず「より良いサービスを受けることができる」という権利ではないのです。
サービスを提供する側も、提供される側も、気持ちよくなりたいですよね。

西森憲司さんへ
ようこそ、お越しくださいました。
お待ちしていました。
コメントありがとうございます。

ドクエメットさんへ
英語圏では、日本の心である「もったいない」が、「MOTTAINAI」とそのまま英語になっているらしいです。
「もったいない」「MOTTAINAI」ともに、消費が美徳とされる時代から、提供してくれる人への感謝の気持ちが生まれてきたとだと思っています。

gonsukeさんへ
気付く人、気付かない人、気付いても変わらない人、気付いても変わることができない人。
gonsukeさんは、すごいです。0471256301

No title

いい話ですね。
 何かをしてもらって当たり前になってはいけないなー
と改めて思います。

 
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プロフィール

早野雄二

Author:早野雄二
こんにちわ!「インストラクターの独り言」へようこそ!

昭和35年(1960年)、北海道歌志内市生まれ。
(現在、歌志内は、日本一人口の少ない「市」です。ぜひ一度訪問してください。)
(http://www.city.utashinai.hokkaido.jp/)

大学を卒業後、この業界に飛び込み、あっという間に25年が過ぎました。ビジネスと言うジャンルにとらわれずインストラクターの視点で、綴って行きたいと思います。

2007年7月NASSAN V-up PROGRAM のV-FASTの販売会社への導入を評価され、日産自動車株式会社 CEO Carlos Ghosn氏より「V-up課題達成優秀賞」の表彰を受ける。

著書:
⇒「営業マン次の一手」(共著:総合法令)
⇒現在、2冊目企画中

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