「ニッパチの法則」って、知ってます?
皆さん、「ニッパチの法則」または、「20:80の法則」と言う言葉を聞いたことがある方は、多いと思いますが、今日は、少し突っ込んで説明します。
「20:80の法則」に、似た言葉として、「パレートの法則」があります。
パレートの法則は、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレート(Vilfredo Federico Damaso Pareto)が発見した法則です。
よく、「パレートの法則」は、「20:80の法則」と同義として使われるようですが、
「パレートの法則」は、経済の法則であり、「20:80の法則」とは、基本的に異なるといわれています。
「20:80の法則」は、経験則であり、明確な根拠はありません。
経済学については、専門家に任せるとして、今回は、「20:80の法則」について、綴っていきます。
⇒企業の売上の80%は、全顧客の20%が生み出している。
⇒企業の売上の80%は、全商品の20%が生み出している。
⇒企業の売上の80%は、営業担当者の20%が生み出している。
また、企業の人材も、
人財(20%)⇒その企業に居てもらわなければならない人
人材(60%)⇒適材適所によって、ある程度の能力を発揮する人
人在、人罪(20%)⇒ただ居るだけ、または、居てほしくない人
に分類されると言われています。
この「20:80の法則」は、経験則ですので、当然、ばらつきは、存在します。
つまり、「10:90」「30:70」になったりする事もあります。
さて、前提は、ここまでとして、今回のテーマは、企業の人材に焦点を当て、「20:80の法則」で言うならば、
『下位20%の人材は、必要ないのか?』
または、
『上位20%だけを大切にすれば良いのか』
について、綴ります。
ここで、大変興味深い実験があります。
北海道大学大学院農学研究院の長谷川英祐先生の「アリの研究」です。
皆さんのアリと言うと童話「アリとキリギリス」を思い出すでしょう。
そして、アリに対して、{とっても、働き者}というイメージをお持ちだと思います。
長谷川先生は、この問題を正面から取り組んでいます。
(大学の先生というのは、色々な事を研究しているのですね。)
長谷川先生の研究によれば、ある瞬間、実際に働いているアリは、20-30%だというのです。
40-60%のアリは、働いているアリに追随しているようです。
残りの20-30%のアリは、働いていないというのです。
100匹のアリがいるとすると、20-30匹のアリだけが真剣に働いている。
こんなこと、信じられますか?
この事実は、第22回日本動物行動学会ニュースレターの22pに書いてあります。
『お利口ばっかりでも,たわけばっかりでもダメよね!』~「集団」行動の最適化~
長谷川英祐(北海道大院・農)
では、働かないアリは、必要ないのでしょうか?
アリと人を、同格に扱うのは、どうかと思いますが、納得感があるかどうかは、皆さんが判断してください。
このレポートの中では、
上位20%働き者のアリは、現業の遂行のために中位を引っ張っていくリーダー役
中位60%のアリは、リーダーに良く従うメンバー
では、下位の20%の怠け者のアリは、何をしているのか?
面白いのは同じ話題に付いて講演している西森拓(大阪府大院・工・数理工学)先生の話です。
「実地観察ではなくシミュレーションモデルの観察結果ではあるのだけれど「まじめに働いているやつ」よりも「全然やる気のない奴」の方が、『イノベーション的な成果』つまり、「餌を運ぶのに劇的に効果が上がるルートの発見とかいままでにない餌場の発見とか」をもたらしてコロニー全体に対する寄与度が高い」とのこと。
ん~っ、怠け者のアリも仲間の役に立っているのですね。
そうそう、これを書いているうちに、「釣りバカ日記」を思い出しました。
確かに、俳優西田さんが演じる主人公は、一見怠け者の社員ですが、まさにイノベーション的な成果を次々と生み出しています。
さて、本題に戻りますが、
実績を上げない下位20%の人材は、企業で言うところの「リストラすべき」なのでしょうか?
この実験は、さらに100匹の中から、働かないアリ20匹を取り除くということをしています。
そうすると、
残りのアリ80匹で、
20-30%⇒働くアリ 16匹
40-60%⇒追随するアリ 48匹
20-30%⇒働かないアリ 16匹
に、なるというのです。
ん~っ、単に人材を減らしただけでは、縮小均衡になってしまい、企業にとっては、プラスにならないようです。
皆さんだったら、どうしますか?
ご意見をお待ちしています。
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